水族館に行き、水槽を眺めながら、ふと疑問に思ったことはないですか?
チンアナゴって、泳がないの?魚だよね?
地面から生えている?見れば見るほど疑問は増します。
今回は不思議な生き物、チンアナゴを観察するのが一層楽しくなる情報をお届けします!

チンアナゴは魚なのに庭!?チンの由来はあの動物だった!
チンアナゴは言うまでもなく、アナゴ科の魚です(よかった、魚なんですね)。
土からニョキっと飛び出た白っぽい体に、
黒い模様がある姿がその持ち味とも言えましょう。
その立ち振る舞いが庭に生えている草木に似ていることから、
英語では「garden eel(庭のうなぎ)」と言います。
同じ水槽には、チンアナゴと共にオレンジっぽいチンアナゴらしき生き物もいますが、
これは「ニシキアナゴ」といって、別の一種になります。
もしや、姿形が珍しいから「珍(ちん)アナゴ」になったのかも?
そんな話も聞きますが、本当はそうではないのです。
「チンアナゴ」の「チン」は、犬の「チン(狆)」!
「チン(狆)」は小型犬で特徴ある平たいような顔をしており、
その顔と似ているアナゴで「チンアナゴ」となりました。
いつも土の中に埋まっているのは、チンアナゴが○○だから!?
海底でもチンアナゴは、群れで暮らしています。
プランクトンを食べているため、地面から顔をニョキっと出し捕食します。
プランクトンとは海中を浮遊する小さな小さな生物です。
潮の流れにのってくるため、チンアナゴの群れ全体が同じ方向を向いていることが多々あるのです。
ところで全長40㎝あるチンアナゴは、
地上からは見えない土の中にその身体の半分以上を隠していることになります。
チンアナゴがいつも土の中にいる理由ですが、これは泳げないというわけではないようです。
チンアナゴの性格と関連しています。
チンアナゴは警戒心が強く、何か自身に危険が近くと直ちに全身を穴の中に引っ込めてしまいます。
つまり魚や敵から自身を守るための行動だと言えます。
しかしながら神経質すぎるという側面もあり、一度警戒してしまうと穴からなかなか出てこなくなり、
そのまま餓死してしまうこともあるようです。
このような性格から、疑い深いチンアナゴを自宅で飼うのはなかなか困難だと言われています。
身体の半分以上が伸びている土の中。水に揺れ動くチンアナゴの心の中。
想像しながら観察していると、可愛いい姿がより一層愛らしく感じられます。
皆さんも不思議なチンアナゴたちをじっくり観察してみませんか。