【音楽雑学】知っている人は知っている、音楽家たちの意外で笑える変な曲




クラシック音楽と聞くと、おカタイなぁとか眠くなっちゃうよなんて思う人、よくいますよね。

教科書に載っている大音楽家たちは数々の名曲を世に送り出しました。ですが彼らも人間。時にそのおカタイ音楽をめちゃくちゃに壊したくなったときがあったのかも? 今回はそんな音楽家たちの笑える変な曲をご紹介します。

 

えっ、曲にするほど怒ったの? 「なくした小銭への怒り」

 

音楽室に必ずと言ってもいいほど肖像画があるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン。「運命」や「第九」などは聞いたことがありますよね。

この「なくした小銭への怒り」はベートーベンの死後見つかった、7分ほどのピアノ曲です。本題は奇想曲風ロンドト長調作品129。この題名は通称です。ベートーベンがつけたわけではありません。他人が勝手につけていいのかという疑問はさておき、陽気なダンスでも踊るかのように始まるこの曲は、徐々に暗い、陰鬱な旋律になります。それはあたかもこの通称のせいで「転がる小銭を追いかけて苛立つ」ように聞こえます。そしてまたダンスへ。また落としてなくしたのでしょうね。

ベートーベンはその真面目さからあまりこのような面白みがある曲をつくりませんでした。手がけるオペラ音楽も恋の場面の時には、ロマンもなくムードもない、ただただ音楽性の高い音楽にしてしまうのです。そんな真面目な彼が20代のころに作ったこのピアノ曲は、誰かしらが付けたこの妙な通称によってベートーベンの意外な側面を垣間見せたのです。

 

 

類は友を呼ぶ「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」

 

日本にはあまり文化としてなじんでいないオペラ。リヒャルト・シュトラウスはオペラを得意とする作曲家でした。そのような背景があり日本ではシュトラウスといえば「美しく青きドナウ」を思い浮かべますが、今回紹介するのは全くの別人です。尚、リヒャルト・シュトラウス自身もロンドンの行く先々で間違われたそう。同名の有名人がいると何かと大変ですね。

「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」は14世紀に実在したいたずら者をシュトラウスのいたずらめいた曲で描いた交響詩です。全部で約16分の聞く者を飽きさせない、いたずらのスリルや成功して大笑いするさま、人をだまして見つかって怒られるさまなどが次から次へと奏でられています。そしてついに捕まり、裁判へかけられ、死刑になります。でもそのあと最初のメロディが蘇ります。死して尚、ティルの精神がまだそこに残っていることをうたっているのです。「残念! まだここにいるぜ」ということでしょうか。

シュトラウスは他にもおもしろく、笑える曲をたくさん作っています。こうして現代にも紹介する私のような人間がいるということは、シュトラウス自身の精神もまだまだ残っているということですね。