【美しき喫煙具雑学】メアシャム(海泡石)のパイプとシガーラベル、愛煙家が好んだ品々




紳士のたしなみと言われた時代も有った喫煙習慣、その是非はともかく、趣味の品には情熱を傾ける人たちが居ます。

工夫を凝らしたり、美しさを求めたり。喫煙具も例外ではありません。

その中の2つをご紹介します。

メアシャム(海泡石)ってご存知ですか?

木、石、陶器など様々な材質のパイプが作られましたが、最高の素材とされるのがメアシャム、日本語で「海泡石」と呼ばれる鉱物です。

産地はトルコを中心とした地中海沿岸で、あるヨーロッパの国の貴族が、トルコ旅行中にメアシャムの塊を見つけました。

汚れの付いていないメアシャムは、表面が白く美しく、加工が容易で軽量、熱にも強く燃えない、とパイプには持って来いの素材でした。

柔らかな材質は、細かい彫刻をほどこすことが可能で、工芸品、美術品としてもすぐれた作品が多く残されています。

未使用のメアシャムは白に近い象牙色ですが、使って行くうちに、黄色から透明感のある美しい琥珀色へと変わって行きます。

難点はキズが付きやすいことで、取り扱いには注意が必要です。

メアシャムのパイプです。美しいですね。

シガーラベルの楽しみ、蓋の裏側にも気をくばりました

重厚なテーブルの上に置かれた、美しい細工の葉巻入れの小箱から、おもむろに一本の葉巻を取り出す。

映画のワンシーンを思い出しますが、愛煙家は葉巻入れにも美しさを求めました。

「湿らなければいいんでしょっ」と言う訳にはいかなかったのです。

葉巻入れには、1本あるいはせいぜい数本を入れるケース型と、何本もまとめて入れて置く箱型が有ります。

箱自体も寄木細工などさまざまですが、もう1つ、シガーラベルを鑑賞する楽しみ方も有ります。

シガーラベルとは箱の蓋の裏側に貼られている、ビュー(view)と呼ばれる美しいラベルのことです。

大きさは6×9インチ(約15×22センチ)くらいで、1890年代から1920年代にかけて多く作られました。

現代の写真製版技術ではなく、19世紀に発展した石版印刷技術で制作されました。

図案が浮き出すような細工のもの、金箔を貼りつけた豪華で華麗なものが、多く残っています。

描かれているは、葉巻の銘柄を記しただけのシンプルなものから、有名な人物の肖像、風景、動物、あるいは魅惑的な女性像などバラエティー豊かです。

また、企業が顧客に配るために特別に注文した、宣伝・広告用のラベルもあります。

小さなラベルなのに繊細であざやかな色の絵です。